しじみを食べて健康になろう

しじみとわかめの相乗効果

しじみとわかめの相乗効果

栄養成分が豊富なしじみは、古くから身体によい食材として知られており、出汁を取る必要がないほどのうま味成分もたっぷりと含んでいるのが特徴です。
代表的な食べ方の味噌汁など、しじみだけを具材に使ったシンプルな調理法でも十分おいしくいただけますが、他の食品と組み合わせることで相乗効果も期待できます。
中でも「海の野菜」と呼ばれるわかめとの相性はよく、わかめに含まれる栄養成分の働きに期待できる有益な効果は数多く挙げられます。
この記事では、しじみとわかめを一緒に摂取することで、どのような相乗効果が期待できるのかをご紹介します。

わかめに含まれる栄養素と効果について

春先に旬を迎えるわかめは、食物繊維やミネラル類を豊富に含むのが特徴の、チガイソ科に属する海藻の一種です。
旬のわかめには脂が乗っていてとてもよい磯の香りが楽しめ、酢のものや、しじみと同じく味噌汁の具にもよく用いられることから、日本の食卓になじみの深い食材の一つといえます。
ここでは、わかめに含まれる主な栄養成分とそれに期待できる効果についてご紹介します。

腸内環境を整え高血圧予防に有効な食物繊維

わかめには、老廃物の排泄を促し、腸内環境を整えるために効果的な食物繊維が多く含まれています。
乾燥した状態のわかめが含む食物繊維の割合は、全体量の3割を超えるほど豊富なのが特徴です。
わかめに豊富な水溶性食物繊維は水に溶けやすく、水分の保持力が強い性質があるため、腸内で水分を含むとゲル状に変性し、有害物質を吸着して体外に排出させる働きがあります。
特に、海藻特有のぬめりの元でもあるアルギン酸には、カリウムとナトリウムの量を調整する作用があり、体内の余分なナトリウムを排出して高血圧を防ぐ効果も期待できます。

代謝を促し健康な髪や肌を作るヨウ素

わかめに含まれるミネラルの一種のヨウ素は、体内のタンパク質の合成や新陳代謝を促す甲状腺ホルモンの主な構成成分でもあります。
ヨウ素は人体内では甲状腺に多く存在し、甲状腺ホルモンであるトリヨードチロニンとチロキシンの合成に用いられます。
甲状腺ホルモンは、交感神経に働きかけて基礎代謝を調節する機能や、タンパク質や脂質・糖質の代謝を高め新陳代謝を活性化する働きがあります。
そのため、健康な髪や爪、肌づくりに役立ち、美しく保つ効果が期待できるのです。

しじみとわかめに期待できる相乗効果とは

しじみとわかめには、共通して含まれている栄養成分があり、組み合わせることで相乗効果が期待できます。
両者に含まれている成分の働きによって得られる相乗効果についてご紹介します。

むくみの改善効果が期待できる

わかめはカリウムやマグネシウムなど、むくみの改善に効果的なミネラルを豊富に含んでいます。
生体の細胞内液に含まれるカリウムは、細胞の外側に多く存在するナトリウムと拮抗する関係性にあり、体内のナトリウム濃度が過剰になるとカリウムがその排出のために作用します。
ナトリウムによって蓄えられている体内の余分な水分を排出し、むくみの改善の役立つわけです。
また、マグネシウムはカリウムのナトリウム排出作用を助けることで、血中のナトリウム濃度のバランスを一定に保つほか、血液やリンパ液の循環を促す作用があります。
しじみにもむくみ対策に役立つカリウムが含まれている他に、利尿作用を高める働きのあるメチオニンや、筋肉の収縮力を高める作用のあるタウリンなどを含んでいます。
メチオニンは体内の毒素や老廃物の排出をスムーズにし、タウリンは腸内でぜん動運動を活性化させたり心筋のポンプ機能を補ったりする働きにより、むくみの改善効果が見込めます。
むくみの原因は多岐にわたるため、むくみ対策に作用する成分を含むしじみとわかめを組み合わせることで、改善のため相乗効果が期待できるのです。

歯や骨の健康を保つ効果が期待できる

わかめには歯や骨を作り、その強度を保つ働きのあるカルシウムも多く含まれており、乾燥わかめを水に戻した状態でも130mg/100gと含有量が高いのが特徴です。
また、カルシウムの吸収を助けて骨の健康を保つ作用のあるビタミンKも豊富に含んでいます。
ビタミンKは、カルシウムが骨に沈着するのに必要な「オステカカルシン」というタンパク質を活性化したり、骨からのカルシウム排出を抑えたりする作用のある脂溶性のビタミンです。
前述したマグネシウムには骨の形成を助ける働きもあるため、歯や骨の強度を高めたり骨粗しょう症を防いだりする効果が期待できます。
しじみもまたカルシウムを多く含む食材で、その含流量は130mg/100gと、貝類の中では最上位に位置しています。
ただし、カルシウムは吸収率が低い栄養素のため、吸収を促す成分と共に摂るのが推奨されています。
その内の一つにタンパク質がありますが、しじみは良質のタンパク質を豊富に含んでいるため、カルシウムを効率よく吸収するのに適しているわけです。
わかめの高いカルシウム含有量も、しじみと組み合わせることで無駄なく摂取できることになるのです。